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written by 岡パパ
2015年12月にアレルギー疾患対策基本法が施行され、
厚生労働省でも基本指針を作成するなど、
政府としても少しずつ動きを見せてくださっています。
アレルギー疾患対策基本法に関する記事はこちらから
厚労省による基本指針作成に関する記事はこちらから
厚労省による医療提供体制の素案に関する記事はこちらから
しかし、実際は、食物アレルギー対応の地域差など
様々な課題があり、不安や不満を感じていらっしゃる方も
多くいらっしゃいます。
食物アレルギーをお持ちのお子さまが
幼保育園や学校に通われている場合、
保護者の方が心配されるのは、やっぱり「給食の対応」が
多いかと思います。
(画像はイメージ)
自治体によっては、学校給食を作る学校給食センターを
食物アレルギー対応給食を作ることができるような設備に作り変えたり、
新設したりされています。
お住まいの自治体で、このような取組がされていることを知れば
「新しい給食センターでは、食物アレルギー対応給食が作れるというから
これで今までよりは安心できるわ」と思われるでしょう。
ある自治体でも学校給食センターを整備し、
食物アレルギーへの対応を始めましたが、同じ市内であっても対応に差があるといいます。
<目次 Contents>
◆同市内なのに対応に差がある!?
福岡市では、2014年と2016年に2つの学校給食センターを
食物アレルギーにも対応できるよう整備されました。
これにより、同市内の約7割の学校に食物アレルギー対応の給食を
提供することが出来ます。
では、残り3割は?
実は、まだ食物アレルギー対応の給食を提供できない状況なのです。
福岡市では、4か所ある給食センターを2020年頃までを目安に3か所に再編する計画です。
その計画の中で2014年と2016年に新しい給食センターが完成しました。
その給食センターでは食物アレルギー対応給食の提供が可能です。
しかし、再編前から稼働している残り2つの給食センターでは対応給食の提供が
まだできません。
「同じ市内に住んでいるのに、なぜ対応に差がでるのか?」
「せめて、新しい給食センターで作って運んでもらうことはできないのか?」
食物アレルギー対応給食の提供がまだできない地域にお住まいの
保護者の方々からは、こういった声が出ています。
この状況だけを見ていると、
「なんて理不尽な対応だ!」と思われるかもしれませんが、
自治体側でも対応に苦慮しているところなのです。
◆なぜ対応に差が出てしまうのか?
実は、給食を提供するには、文部科学省の基準や指針が関係してきます。
学校給食法に基づく学校給食衛生管理基準というものがあり、
「給食センター(共同調理場)で作った食品について、
調理後2時間以内に食べられるように定める。」とあります。
これは、食品衛生面での基準であり、給食を提供していく上で
基本となるものです。
福岡市教育委員会の担当課では
「アレルギー対応食を2時間以内に食べられるようにするには、
調理者や配送車が別に必要で、費用がかかる」と説明されています。
実際に、福岡市では食物アレルギー対応給食が必要なお子様へ
配送することを検討してくださったようです。
例えば、博多区の新しい給食センターから、
(現在アレルギー給食対応外の)東区にある学校へ10人分の給食を届けようとすると、
その費用は最低でも約900万円ほどかかります。
課題となるのは金額面だけではないでしょう。
遠方であれば道路状況等により遅延が発生するかもしれません。
遅延が発生すれば、アレルギー対応給食を待っているお子様が、
給食を食べることができないこともあるかもしれません。
また、根本的な衛生面の課題も軽視できません。
市内全域に対応食が提供できるのは、3ヵ所目の新しい給食センターが
完成する2020年夏以降の予定とのことです。
記事参照元:西日本新聞はこちらから
◆給食以外にもある様々な地域差
今回は学校給食というものに対して地域差がある実例をご紹介しましたが、
アレルギーへの対応の差があるのは給食だけではありません。
アレルギーの専門的な診断、治療を行うことのできる病院や専門医の数も
人口の多い主要都市と他の地域ではまだ差があります。
食物アレルギーをお持ちの方や、そのご家族の方々が相談できるような
体制がある地域と未整備の地域。
災害時を想定した自治体による食物アレルギーに配慮した備蓄食料を
確保している割合。
などなど、様々な点で地域差があります。
アレルギー疾患対策基本法が施行されたとはいえ、
病院や給食センターの設立、専門医の育成、相談窓口の開設、防災非常食の買い替え等
ひとつひとつのやらなければいけないことをクリアしていくには
お金も労力も時間もかかります。
では、食物アレルギーを持つ方やそのご家族は、
現状の地域差に嘆き涙を流し続けるだけしかできないのでしょうか?
課題点を知ることにより、対策を考えることもできるはずです!
まずは、お住まいの地域のアレルギー対応がどんなレベルにあるのかを
調べてみることから始めましょう。
・最寄りのアレルギー専門医のいる病院はどこか?
・自治体側で相談窓口が未整備の場合は、お住まいの地域や付近で
活動されているサークルさんなどはあるか?
・自治体が備蓄している非常食の食物アレルギーへの対応の程度を知り、
各ご家庭で食物アレルギー対応の備蓄食料を確保しておく。
・自分で調べていて分かりにくいことなどがあれば、
公的な機関による相談窓口を利用するのも良いでしょう。
例:一般社団法人日本アレルギー学会による相談窓口はこちらから
今回は福岡市内での学校給食の食物アレルギー対応の地域差について
実例としてあげさせてもらいました。
福岡市以外にお住まいの方でも、同様の問題の抱えている方も
いらっしゃるかと思います。
自治体側へあなたの声を届けることも、とても大切なことです。
多くの自治体では、お住まいの方々の声を受け取る制度が設けられているはずです。
お住まいの地域の自治体のホームページなど確認していただき、
もしわかりにくい場合には、役所の代表番号に電話をして聞いてみても良いでしょう。
ここで大切なのは、単に自治体に不満をぶつけるだけではなく、
コミュニケーションの場を設けることができるような建設的な話し方を
とっていただきたいと岡パパは思います。
アレルギーでお悩みの方々とその問題を解決する側が少しずつ歩み寄っていくことで
日々の生活で不安や悩みを抱えることのない社会が実現される日が来ることを願っています。
- 投稿タグ
- 学校給食, 地域格差, 食物アレルギー対応給食