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written by 岡パパ

 

現在、食物アレルギーを根本的に治療する方法は確立されておらず、
様々な病院や研究機関がその治療法や予防法、症状発症のメカニズムなどを
研究されています。

そんな中、興味深い研究発表がありましたので、ご紹介します。

富山大和漢医薬学総合研究所では、食物アレルギーの治療法として、
漢方薬の「葛根湯(かっこんとう)」の服用と、
アレルギー症状を発症する原因食材=アレルゲンを少量ずつ摂取して
治療する「経口免疫療法」を併用すると、
アレルギー症状の発症を抑えられることを『マウスの実験』で発見しました。


(画像は記事参照元より)

経口免疫療法は、アレルギー専門医の管理・指導の下、
アレルギー症状を発症しない量のアレルゲンを定期的に経口摂取していき、
身体に耐性を付けさせて、最終的にはアレルゲンを一定量摂取しても症状を
発症しないようにすることを目的とする臨床研究段階の治療法です。

この経口免疫療法は、場合によっては強いアレルギー症状発症のリスクがあることから、
一般的な治療法としては推奨されていません(2018年6月現在)。

日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会による
経口免疫療法についての紹介ページはこちらから

 

富山大和漢医薬学総合研究所では、
アレルギー治療の根本研究の中において
漢方薬である「葛根湯」を用いてアレルギー症状に対する
反応を研究されました。

卵を食べると食物アレルギー症状を発症するマウスに対し、
「葛根湯」を与えると、腸管で過剰な免疫反応を抑える
「制御性T細胞」が増え、発症が抑制されることを発見しました。

さらに、卵成分を少量から少しずつ増やして与える経口免疫療法と、
葛根湯の投与を併用する研究も実施しました。

その結果、経口免疫療法だけの場合よりも、
腸管で制御性T細胞が増えて治療効率が上がることを明らかにしました。

 

「葛根湯」は、カッコンやシャクヤク、ケイヒなど7種類の生薬からなる漢方薬で、
よく「かぜ薬」としての認知度が高いかと思います。

複数の生薬により構成される漢方薬は、多成分系の複合薬物であり、
複数の治療標的に作用することにより生体の調節機構
(神経系、免疫系、内分泌系等)の病的なバランスの偏りを改善することを
目的とした方剤が多いとのことです。

(画像はイメージ)

このことから、漢方薬は免疫系のバランスの破綻が発症に関与する
アレルギー疾患の治療に対しても効果が期待されています。

 

この研究結果はマウスに対しての結果なので、
人間にも効果があるかについて、さらなる研究が必要となります。

 

2017年12月から、葛根湯とアレルゲンとなる食材の少量摂取を併せた
治療を行う臨床研究をスタートさせました。

 

まずは、食物アレルギーをお持ちの方がアレルゲンとなる食材をどれくらい食べられるかを
調べる経口負荷試験を行います。

そして、週3回以上、アレルギー症状が出る量よりも少ない量を摂取しながら
葛根湯を飲むよう指導します。

6カ月間、続けた後で再び負荷試験を行い、葛根湯を飲まなかったグループと比較して
効果を検証するものです。

 

この治療方法による効果が確認されれば、
食物アレルギーの治療を安全に効果的に行うことが期待されています。

※本研究結果は、あくまでもマウスを対象にしたものであり、
 人間に対しての効果は研究段階です。
 自己判断では決して行わないでください。
 また、経口免疫療法を自己判断で行うことも、もちろんやめてください。

 

記事参照元:Yahooニュースはこちらから

本研究の詳細情報はこちらから