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written by 岡パパ

 

アレルギーに悩む方々は世界中で増加傾向にあります。花粉症やアトピー、ぜん息、そして食物アレルギーなどなど様々なアレルギーへの予防・治療に関する研究が世界中で行われています。

今回ご紹介しますのは、食物アレルギーを抑えるのに有効な手段になる可能性がある画期的な研究結果です。

 

牛乳タンパク質なしミルク 乳幼児のアレルギー大幅抑制


(画像はイメージ)

生まれたばかりの赤ちゃんに対し、母乳に加えて、通常の粉ミルク(乳成分を含む)ではなく牛乳のタンパク質が入っていない特殊なミルクを与えることで、食物アレルギーの発症を大幅に抑えることができたという研究結果が発表されました。

研究結果を発表したのは、東京慈恵会医科大学の浦島教授のグループで、研究結果は「アメリカ医師会雑誌」の小児版に発表されました。

 

◆どんな研究・観察をしたのか?

研究グループでは、302人以上の赤ちゃんを2グループに別けました。

Aグループ:生後3日間に母乳に加えて通常の粉ミルク(牛乳タンパク質を含む)を与えます。
Bグループ:生後3日間に母乳に加えて牛乳のタンパク質が入っていない特殊なミルクを与えます。

2グループの赤ちゃんの成長経過を2年間観察しました。

<2歳時点での食物アレルギーの有無の結果>
Aグループにて食物アレルギーがあったお子様は、20人だったのに対し、Bグループで食物アレルギーがあったお子様は、なんと4人となりました。

5分の1の割合まで減ったという劇的な結果です!

 

<強い食物アレルギー症状を持っていたお子様の人数>
Aグループは13人だったのに対し、Bグループは1人でした。

10分の1以下まで減っています!

 

◆なぜ食物アレルギーを抑制することに繋がったのか?

2年間の経過観察と研究結果から、研究グループではこの大きな違いが現れたのは「牛乳のたんぱく質を十分に分解できない赤ちゃんの場合、腸に炎症が起き、その後、人によってはほかのアレルギー物質も吸収しやすくなるのではないか」と分析しています。


(画像はイメージ)

 

◆食物アレルギーの発症予防に繋がる対応策となるか?

研究グループの浦島教授は、
「母乳が出にくいお母さんは無理せずにミルクをあげてほしいが、生後3日間だけ牛乳のタンパク質が入っていないミルクに代えることで、アレルギーの発症を減らせるのではないか」とお話しています。

 

記事参照元:NHK NEWS WEBはこちらから

 

 

今回は、生後間もない赤ちゃんに与えるミルクの成分が、食物アレルギー発症予防に繋がる可能性を示した、大変画期的な研究結果でした。

昨今、食物アレルギー発症予防については、「(卵やピーナッツについては)離乳食早期から摂取し始めることにより、食物アレルギー予防効果が期待できる」というガイドラインに改訂されました。
食物アレルギー発症予防について昔からの認識が180°変わることになり、妊娠中、そして子育てし始めたママ・パパ達の中には、混乱されていらっしゃる方もいるかもしれません。
(摂取する食材や量については、主治医のお医者さんと良くご相談していただき、自己判断で行わないようにしてください。)

そして、今回の研究では、生後3日間ほどは、牛乳タンパク質を含むミルクを与えないことで、食物アレルギー予防効果が期待できるというものでした。食材によっては、早期に摂取し始め、別の食材については早期摂取は控える・・・
これも混乱してしまいそうですね。

 

今回の研究結果による食物アレルギーの予防効果についても、「どんな食材に対しても食物アレルギー予防効果があるのか?」「2歳以降もずっと食物アレルギー症状を発症しない状態が続くのか?」といった点については、これからも研究が進められていくのではないかと思います。

また、お母さんの体調などによっては、母乳が出にくい方もいらっしゃるかもしれません。
そういった場合には、赤ちゃんに粉ミルクを与えていく必要があります。
今回の様な研究結果の予防効果が正しく認められた場合には、生後すぐの赤ちゃんに与える粉ミルクについてもガイドラインを作ったり、専用の粉ミルクを広く普及させる必要が出てくるかもしれません。

今回ご紹介したような、牛乳や卵、ピーナッツといった食材だけでなく、小麦やエビ、カニ、そばなどなど、代表的なアレルゲン食材はまだまだ多くあります。今後の研究によっては、それらのアレルゲンについても、乳幼児期に適切な対応を行っていくことで、食物アレルギー症状を抑える、または軽減させることが出来るようになるかもしれません。