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written by 岡パパ

 

食物アレルギーで悩んでいらっしゃる方々は、
日本だけでなく世界中で増加傾向にあります。

世界中の医療機関や研究所にて、食物アレルギーの
予防や治療などの研究が進められています。

本日ご紹介するのは、ピーナッツアレルギーに関する研究結果です。

 

日常的誤食でのピーナッツアレルギー症状軽減に期待できる療法!?

(画像はイメージ)

ピーナッツは、世界でもアレルギー症状を発症させる
代表的なアレルゲンの1つです。

今回、米国のエモリー大学などの研究チームでは、
ピーナッツアレルギーを持つお子様を対象とした実験的療法を行いました。
その結果、被験者の方々の約3分の2が、少量のピーナッツを摂取できるようになった
発表されました。

この実験的療法の概要は以下のようになります。

 

10ヵ国にある66の研究施設にて、
ピーナッツアレルギーを持つ4~55歳の患者554人を対象に、
医師の厳格な管理・指導の下で行われました。

このうち、約9割にあたる496人は、4歳~17歳の方々です。

被験者のうちの3分の2には、アレルゲンであるピーナッツの粉末を
ごく少量ずつ摂取してもらいます。
1日当たり1粒に相当する維持量に達するまで、2週間ごとに摂取量を
増やしていきました。

残る3分の1には偽薬を摂取してもらいました。

 

1年後に全員が、医師の監視の下で、ピーナッツ2粒に相当する量を摂取する試験を行いました。

その結果、
この療法を受けた被験者のうち3分の2には、
重大なアレルギー反応が出ませんでした。

また、約半数の方については、4粒に相当する量にも耐えることが出来たとのことです。

本実験的療法による副作用としては、
多くの被験者にて、ある程度のアレルギー症状は発症したものの、
3分の1は腹痛などの軽度な症状にとどまりました。

中には、摂取量を増やすごとに、胃けいれんや嘔吐(おうと)、
さらに1度は気道が狭窄して呼吸しにくくなるアナフィラキシー反応に見舞われた方も
いらっしゃいました。

胃けいれんについては、すぐに収まったとのことです。
また、アナフィラキシー症状が発症した後には、
すぐにエピネフリンを投与されました。

 

被験者の内、11%のお子様は、重度の副作用のため途中で療法を中止しましたが、
最終的に「ピーナッツ2粒に相当する量を摂取する試験」にて、
アナフィラキシー症状などを発症し、エピネフリンの投与を必要とした方は、
偽薬を摂取したグループが53%だったのに対し、療法を受けた方では10%にとどまりました。

 

この療法は、「ピーナッツアレルギーが治療されるわけでは無く、
ピーナツバターサンドイッチが食べられるようになるわけでも無い。
しかし、意図せず少量のピーナツを食べてしまった場合でも反応が出ないか、
それほどひどい反応が起きなくなる可能性があると解説されています。

 

ピーナッツは、そのまま使われることよりも、
料理に使われる油や隠し味など、ピーナッツの姿・カタチがわからない状態
使われている事の方が多いかもしれません。

また食品だけでなく、化粧品やクリームといった日用品にも
使われている事もあります。

日常生活にて、いくら原材料情報等に気を付けていたとしても、
誤食や皮膚につけてしてしまう可能性はあります。

もし誤って口にしてしまった、触れてしまった時に、重症化することを抑えることができ、
命の危険を回避することができれば、食物アレルギーで悩む方々にとっては、
日常生活の中での恐怖感が少し減ることに繋がるのではないでしょうか。

 

ある特定のアレルゲンに対して、アレルギー症状を完全に抑えることが
できるようになる療法は、未だ確立されておりません。

しかし、今回の研究のように、いくらかでも症状を抑えることができれば、
日常生活での命の危険を回避し、今までガマンしていた行動を
取ることが出来るようになるかもしれません。

今後の研究にも期待しています。

※この療法は医師の厳格な管理の基で行われているものであり、
 ご家庭などで勝手に試すなどは絶対にしないでください。

 

ピーナッツアレルギーへの治療に関して、以前紹介した記事

ピーナッツアレルギーをパッチ剤で治療する研究はこちらから

ピーナッツアレルギーに治療効果を長期間維持した研究はこちらから

 

記事参照元:CNNはこちらから