先日、ピーナッツアレルギーを治療するための治療薬:Palforziaについてのご紹介をしました。
小児向けピーナッツアレルギー治療薬『Palforzia』についての記事はこちらから
ピーナッツによるアレルギーは、日本はもちろん、世界中で悩む方が多くいらっしゃいます。
アメリカにお住まいの方の食物アレルギーを引き起こす代表的な食材の1つであり、アメリカのお子様の2.5%にピーナッツアレルギーがあるとされています。
(画像はイメージ)
幼児期にピーナッツのパウダー状タンパク質を摂取すると、子どもがピーナッツアレルギーを克服できる可能性があることが、医学誌「ランセット」に2022年1月22日付けで発表されました。
<目次 Contents>
幼児期のピーナッツ粉状タンパク質摂取でアレルギー低減の可能性
増加傾向にあるピーナッツアレルギー
米国アレルギー喘息免疫学会(ACAAI)の報告では、米国では推定で0.6%の人にピーナッツアレルギーがあり、その数は増加傾向にあるとのことです。
ピーナッツアレルギーのお子様は、2010年から2017年のあいだに21%増加しています。
経口免疫療法により約7割の子どもがピーナッツアレルギー症状を抑制
今回発表された研究では、ピーナッツアレルギーを持つお子様が、ピーナッツのパウダー状タンパク質を、30カ月にわたって徐々に量を増やすかたちで摂取する(=経口免疫療法)というものです。
その後、4歳未満のお子様のうち71%が、ピーナッツ16個分に相当する量を摂取してもアレルギー反応が出なかったことがわかりました。
また、セラピーが終了してから6カ月後も、お子様たちの21%は、アレルギー反応が和らいだ状況が続いていたとのことです。
今回の研究結果から、幼児期のお子様には、免疫システムが柔軟なうちにピーナッツアレルギーを治療できる機会があると考えられます。また、ピーナッツによるアレルギー症状を抑制する効果が継続することもわかってきました。
※経口免疫療法は、アレルギー専門医の厳格な管理体制の下で行われます。ご家庭で独自にアレルゲンを食べさせるなどは絶対に行わないでください。
記事参照元:Yahooニュースはこちらから
以前より、ピーナッツアレルギーを持つ方に対して、医師の厳格な管理・指導の下で、アレルゲンであるピーナッツの粉末をごく少量ずつ摂取し、ピーナッツに対する耐性を付けていく研究が行われています。
ピーナッツアレルギーに対する経口免疫療法に関する記事はこちらから
経口免疫療法によって得られる効果は期待したいものの、アレルゲンを摂取することでの副反応=アレルギー症状、またアレルゲンとなるピーナッツを正確に規定量摂取するというのが難しいという課題もありました。
ピーナッツの小児向けピーナッツアレルギー治療薬『Palforzia』は、ピーナッツ・タンパク質が規定量正確に含まれています。
(画像は薬を開発したエイミューン・セラピューティクス社のHPより)
こういったものを活用することで、上記の課題の1つが解消されていくでしょう。
今後は、正確な量を定期的に摂取していくことで、身体に負担がかかり過ぎないようなピーナッツアレルギーを克服できるような治療法が確立できるようになるかもしれませんね。
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