先日、食物アレルギーに関する事故のニュースを聞き、また背筋が凍り付くような思いがしました。
食物アレルギーにより救急搬送中の女性が薬剤誤投与され一時心停止
(画像はイメージ)
千葉市にお住まいの女性から「食事をしたら息苦しくなった」と119番通報があり、救急隊員が駆け付けました。
女性は呼吸困難な状態で、その症状は食物アレルギーと判断。3人の隊員が酸素投与などを行ったとのことです。
病院への搬送中に、救急救命士の隊員の方は、医師から「女性が応急処置用の注射薬『エピペン』を持っているか?」と聞かれました。その女性はエピペンを持っておりませんでした。
隊員の方は、エピペンに含まれる同様性分:アドレナリンの投与を考え、ちば消防共同指令センターに常駐する別の医師の指示を受けながら、静脈に薬剤を投与したとのことです。
その後、女性は不整脈の症状が表れ、心肺停止状態になってしまいました。
この時投与された薬剤は、エピペンに入っているアドレナリンの用量の3倍以上にあたる量であったとのことです。
救急救命士は、医師の指示があれば心停止した傷病者に対し限られた量のアドレナリンを投与することができます。
しかし、女性は意識があり会話もできる状態だったことから、今回のケースでの投与は認められていないということです。
千葉市消防局では、
「女性は血圧が下がっていなかったため、過剰に血圧が上がり、不整脈を引き起こした可能性がある。薬剤を使うべきではなかった」
と話をしています。
女性は集中治療室(ICU)に入っているとのことです。
救命士は「アドレナリンを投与すべきだと誤認してしまった」とお話されており、消防局では市の救急業務検討委員会で再発防止策を検証するとしています。
記事参照元:
Yahooニュースはこちらから
産経ニュースはこちらから
チバテレプラスはこちらから
2019年に、食物アレルギー症状を発症した方に対し、アドレナリンを静脈注射で過剰投与した為に、亡くなってしまった事故がありました。
『アドレナリン過剰投与により最悪の結果に』の記事はこちらから
(画像はイメージ)
通常、エピペンは筋肉内注射により投与されます。
エピペンに含まれるアドレナリン標準量0.3mg(成人)は筋肉内注射であれば、有害事象が起きる可能性は非常に低いとされています。
しかし、アドレナリンを静脈内注射すると血中濃度が急激に上昇し、重篤な心筋虚血、不整脈、肺水腫等を引き起こす可能性があるとされています。
(日本アレルギー学会「医療事故の再発防止に向けた提言」より)
私達の娘も、一度エピペンを使用するケースがありました。その時は、家でエピペンを打ち、岡ママ同伴で救急車で病院に搬送していただきました。
しかし、食物アレルギーを持つ方々全員が、エピペンを処方されているというわけではありません。
食物アレルギーとは無縁と思っていた方も、今まで食べたことのない食材を食べたことにより、突然重いアレルギー症状を発症するという場合も考えられます。そうなれば、当然エピペンは持っていません。
一刻も早く正しい治療を受けなければ、命が危険な状態になってしまいます。
今回の事例では、救急救命士の方により「エピペン=アドレナリン」という誤認により、薬剤=アドレナリンを過剰投与してしまいました。
ただ、隊員の方が薬剤を投与する際、ちば消防共同指令センターに常駐する別の医師の方の指示を受けながら処置をしたとのことですので、この辺りでどのような情報伝達が行われていたのか?についても明らかにしていただきたいところです。
「消防局では市の救急業務検討委員会で再発防止策を検証する」としていますが、是非今回の事例・再発防止策を全国に展開し、同様の事故が起こらないようにしていただきたいと思います。
医療事故の再発防止に向けた提言のページはこちらから
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