食物アレルギーを持っている方は、アレルギー症状を起こす食材:アレルゲンを食べることが出来ません。
毎日のご家庭でのお食事では、食品にアレルゲンとなる食材が入っていないかを原材料表示を確認してから購入するようにしています。
しかし、食物アレルギーへの対応に慣れていない方にとっては、原材料情報の確認などを怠ってしまうなどにより、誤ってアレルゲンを含む食品を購入してしまうことがあります。
今回起こったのは、「この食品なら大丈夫だろう」という思い込みから、アレルゲン確認を怠ってしまい、アレルゲンを誤食してしまった事故になります。
<目次 Contents>
認定こども園で米粉パン食べた5歳女児がアナフィラキシーショックで搬送
小麦も含む米粉パン
(画像はイメージ)
三重県名張市の認定こども園にて、5歳の女の子がアナフィラキシーショックで救急搬送されていたことがわかりました。
原因はおやつで出された米粉のパンでした。
女の子は重い食物アレルギーがあり、アレルゲンとなる食材は「卵、小麦、乳、魚類、カニ、エビ、イカ等」と多数あります。保護者の方は、事前に渡されるメニュー表にてアレルゲンとなる食材の有無を確認した上で、食べられるかどうかを判断されていました。
5月30日のおやつメニューに書かれていたのは「米粉ロールパン、いちごジャム」。そこにアレルゲンとなる食材の表示はありませんでした。
「毎日手作りおやつ」を特色としていた認定こども園でしたので、保護者の方はメニュー表を確認した上で「手作りで米粉パンを作るのだろう」と思い、女の子はその日出されたパンを食べました。
それから約1時間後、顔中に湿疹が広がり唇の色も青ざめ、気管も腫れて呼吸がヒューヒューとしてきました。
(画像はイメージ)
保護者の方はエピペンを注射し、園に救急車を呼ぶように求め、女の子は救急搬送されました。
(画像はイメージ)
女の子は一命を取り留め、翌日まで入院しました。
実は、今回、園で提供したおやつの「米粉ロールパン」は市販のパンであり、園で手作りしたものではありませんでした。そしてこのパンには、小麦、卵、乳といった女の子のアレルゲンとなる食材が含まれていました。
その商品のパッケージには「小麦」と書かれてしましたが、園側で購入する際に原材料情報を確認していなかったとのことです。
園側では「米粉パンであれば大丈夫という思い込みで原材料情報を確認していなかった。保護者の同意を得ずに提供した。」といったことを自治体に説明しました。「基本的なチェックを怠った人為ミスで申し訳ない。対応にあたる際の手順書を園児ごとに作成するなどし、再発防止に努める」と取材に応じていました。
「米粉パン」のイメージとして、小麦などを含まずに米粉だけで作られたパンというものがあると思います。しかし、パンの材料に米粉を入れて食感や味を変えるなどして販売されている商品がありますが、商品名が「米粉パン」とされることもあります。
メーカー側も消費者に対して誤解を与えてはいけないと考え、小麦が使われている場合は表パッケージに「小麦を含む」「小麦グルテンを含む」など表示されているものもあります。
今回起きた事故は、その思い込みから原材料情報の確認を怠り、アレルゲン誤食に繋がってしまいました。
以前にも、アレルギー対応商品を扱っているお店の商品だから大丈夫だろうと、原材料情報を確認せずにアレルゲンを含む商品を購入して提供し、児童生徒がアレルギー症状を発症した事故がありました。これも同様に「このお店だったら大丈夫だろう」という思い込みで起きたものです。
幼保育園や小中学校、高校などで食事を提供するために市販の商品を購入する場合には、「大丈夫だろう」ではなく、必ず原材料情報の確認を行い、今回のような事故が起きないようにしていただきたいです。
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