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written by 岡パパ
食物アレルギーは世界中で大きな社会的な問題として取り上げられており、
多くの医療機関などで予防法や治療法が研究されています。
(画像はイメージ)
東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループは、
食物アレルギー反応の原因となるマスト細胞が大量に産生する
『ある生理活性物質の受容体』を刺激する薬剤を投与することで、
食物アレルギーの症状とマスト細胞の増加を実際に抑えることに成功しました。
◆食物アレルギー症状とマスト細胞の関係
東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループは、
食物アレルギーを発症させたマウスを用いて、
食物アレルギーに関する研究をしています。
食物アレルギーを発症させたマウスの腸管では、
アレルギー反応を起こすマスト細胞の数が増えて、
活性化することが分かっていました。
このマスト細胞が大量に産生する『プロスタグランジンD2』と呼ばれる
生理活性物質には、マスト細胞自身の数の増加を抑える働きがあることを
発見していました。
(岡パパの解釈)
つまり、身体の中では、このような流れが起こっているようです。
アレルギー症状発症
→腸管内でマスト細胞が大量増加
→マスト細胞が『プロスタグランジンD2』を産生
→マスト細胞の数の増加を抑える
→アレルギー症状がおさまってくる
どうやら、発症したアレルギー症状を、
自分自身で抑え込めるようなメカニズムがあるようです。
◆プロスタグランジンD2の受容体に作用する薬の効果
マスト細胞が産生する『プロスタグランジンD2』の受容体『DP1』に作用する薬を、
アレルゲンとなる食材を食べさせる前から投与し続けると、
マウスの食物アレルギーの発症が抑えられました。
この時、マウスの腸管のマスト細胞数の増加が抑えられていました。
また、食物アレルギーの症状が出現した後から薬の投与を開始した場合においても症状が改善し、
マウスの腸管ではマスト細胞数の増加とその活性が抑えられていました。
(岡パパの解釈)
マスト細胞から産生される『プロスタグランジンD2』の受容体『DP1』とは
プロスタグランジンD2を受け取る役割のモノのようです。
この受容体『DP1』自体に作用する薬を
アレルギー発症前後に関わらず投与することで、食物アレルギー症状の発症を抑える、
または食物アレルギー症状が改善するといった効果が確認できたということでしょう。
この作用を利用することで、マスト細胞の数をコントロールすることができれば、
食物アレルギーに対する新しい治療方法の開発に繋がる可能性が出てくるのです。
記事参照元:日本経済新聞はこちらから
「食物アレルギーは予防法や治療法が確立されていない」と言われ続けてきました。
しかし、食物アレルギーで苦しんでいらっしゃる方々が世界中にいらっしゃることから、
多くの方々が予防法や治療法を研究されています。
今回の研究結果もその1つです。
人への治療が確立されるには、まだ時間がかかるとは思いますが、
このような研究結果が出てくることで、食物アレルギーをお持ちの方や
そのご家族の方々は、希望を持つことが出来ます。
これからもこのような研究が進み、数年後には食物アレルギーの予防法や
治療法が確立されていくことを願っています。
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