アレルギー対応レシピが盛り沢山!の岡夫婦Youtubeチャンネルこちらから
チャンネル登録お願いします!

『入園・入学・進級前に使う食物アレルギーヒアリングシート』
無料ダウンロードはこちらから

岡夫婦のFacebookページこちらから

岡夫婦のInstagramこちらから

written by 岡パパ

食物アレルギーがあるからこそ、できた「経験」。
食物アレルギーがあるからこそ、見えてきた「変えなくてはいけない課題」。
食物アレルギーがあるからこそ、叶えたいと思う「夢」。

食物アレルギーをお持ちの方々が、そうした想いを声に出して、世の中の人々に伝える『食物アレルギードリームプラン・プレゼンテーション』が、8月8日に開催されました。

 

食物アレルギー・ドリームプランプレゼンテーション


(画像はイメージ)

食物アレルギー・ドリームプランプレゼンテーションのHPはこちらから

 

本イベントにて発表された方々のお話の概要と、岡パパが感じたことなどをお伝えしていきます。

本日はレポートの2回目。

レポート1はこちらから

登壇者全7名のうち、3名の方をご紹介します。

 

⑤「アレルギーだからこそ叶えたい夢~アレルギーによるいじめのない世界へ!~」
 発表者:木村 嘉宏さん


(画像はイメージ)

木村さんは、乳に重度の食物アレルギーがあり、触れただけでもアレルギー症状を発症してしまうほどです。小学校までは、ご自分の食物アレルギーについて、先生方や周りのお友達に自分が食物アレルギーであることを伝えていました。幸い、皆さんが理解を示してくださり、受け入れてもらえました。ところが中学校に上がってから思わぬ事態になります。

「お前なんか、牛乳かけたら終わりやん」

同級生に投げかけられたこの言葉が、木村さんの学校生活を一変させました。もしかして牛乳をかけられてしまうのでは?という恐怖から、朝登校しようと思っても体調が悪くなり登校することができなくなり、次第に不登校になってしまいました。今までは、自分がアレルギーであることを周りに発信してきましたが、このことから急に怖くなってしまったのです。

学校には仲の良いお友達もいて、学校に行って勉強もしたいし、お友達とも遊びたい・・・でも「牛乳をかけられてしまうかもしれない」という恐怖を拭うことはできませんでした。

そんな木村さんの人生を大きく変える出逢いがあります。中学校のT先生は、毎週金曜日に必ず木村さんの家に来てくださり、色んなお話をしてくれました。また、木村さんが創った動画を見て喜んでくださり、学校の先生にも「スゴイでしょ!」と自慢して下さったのです。このT先生の姿を見て、木村さんは「こんな大人になりたいな。こんな『先生』になりたいな」と思うようになりました。

その想いがあったからこそ、勉強して高校を受験しなければいけないと考えた木村さん。しかし、今の学校ではいじめが怖くて登校できない・・・木村さんは転校を決意します。しかし、新型コロナウィルスによる影響で新学期の開始が遅くなりました。あとは転校届を出すだけというところまで来た時に、木村さんに思ってもみなかったことが起こります。新学年のクラスでは、そのT先生が担任になり、さらに仲の良いお友達が同じクラスになったのです。新しいクラスでは自分のアレルギーについて理解をしてくれる同級生が多くなったのでした。

・多くの先生方から心強い声援をいただいた。
・もう一度、やり直せるかもしれない。
・担任の先生もクラスメイトも安心できる。
・目指す進路を進むには、転校するよりも在校した方が良さそう。

こうして、木村さんは転校することを取りやめ、在校することを改めて決意します。世の中には、人の弱点を攻撃してくるような嫌な人もいるけれど、立場の弱い人を支えてくれる人もいる。木村さん自身は、そんな弱い立場の人を支えられるような人になりたいと決意したのでした。

>木村さんのお話を聞き、胸が苦しくなり、涙でPC画面が見えなくなりました。食物アレルギーを持つ方にとって、自分のアレルゲンを近づけさせられるというのがどれほどの恐怖なのか。本当に怖かったとお察しします。しかし、木村さんの周りには、そんな怖い人だけでなく、木村さんのことを想ってくれるT先生や仲の良いお友達もいてくれたことで、再び前を向き歩きはじめることが出来るようになりました。「弱い立場の人を支えられるような人になりたい。」木村さんはきっとこの夢を叶えてくれるハズです。心の底から応援しています!

 

⑥「農家直結食育レストラン~みんなが安心して食べられる場所~」
 発表者:多賀 彩さん


(画像はイメージ)

くるみ、ナッツ類に重度な食物アレルギー症状を発症した多賀さんは、外食をすることが出来なくなってしまいました。そんな多賀さんの夢は、食物アレルギーに対応した外食店を作ること!現在、その夢を叶えるべく調理師専門学校に通っています。お料理を勉強するだけでなく、現在の外食店における食物アレルギー対応の課題点を分析し、どうしたら良いかを導き出します。

<現在の外食店における食物アレルギー対応の課題点>
1.対応食の数が少ない(メニューの選択肢が少なく、同じメニューばかりで選ぶ楽しさがない)
2.コンタミネーションの点から食べられない
3.スタッフの共通理解がない

この課題点を解決させれば、食物アレルギーを持つ方にも安心して安全なお食事を提供できると考えました。課題の1、2については、全てのメニューに代表的なアレルゲン不使用にすることで解決することができます。さらに2については、調理器具や食器類の『洗い方』についても研究し、食品成分が残留しないような洗浄方法にします。3については、ご自身の食物アレルギーの経験・体験談をお話し、スタッフへの教育をしていきます。

多賀さんが考えるお店では、代表的なアレルゲンを使わずにお料理を作ります。そうすると当然『代替食材』を使用します。この『代替食材』は一般的な食材よりもコストがかかります。そこで、地域の農家さんと提携し、規格外野菜を卸してもらうように考えました。外観規格から外れたお野菜であっても味や栄養は変わりません。そして地産地消することで、日本のフードロス改善へのアプローチもできるようになります。さらに、春夏秋冬それぞれのお野菜を使うことで、旬のお料理を作り、季節を感じることのできるメニューにします。

多賀さんのお店ではお料理を提供するだけでなく、食育に関する講座も開設したいと考えています。多賀さんが考える『食育講座』は、『お母さんと子供』に縛られることなく、お父さんも、祖父母も、曾祖父母も、みんなまとめて食に向きあってもらいます。こうすることで、家族全員で食物アレルギーのこと、フードロスのことなど『食』を学んでいただき、実践する機会を提供します。

最終目標は、多賀さんが開くお店が、食物アレルギーの有無関係なしに、みんなが安心して安全に食べることができ、笑顔になることです。

>ご自身の経験から、食物アレルギーに対応する外食店を開こうと決意し、目標に向かってお料理の勉強をされています。さらに、そのお店で日本が抱えている食の大きな課題『フードロス』についても解決へのアプローチを取り入れているという、素晴らしいアイディアです。食育についても、普段お食事作りをされているお母さんとお子様をターゲットにするだけでなく、お子様の家族(お父さん、祖父母、曾祖父母)みんなまとめて食育講座に来てもらえるようなイベントにするコンセプトが斬新でした。多賀さんのお店がオープンしたら、お食事をしに行くだけでなく、食育講座も受けてみたいです。

 

⑦「ベジタリストユーチューバー」
 発表者:石井 陽生さん


(画像はイメージ)

農薬や化学肥料を使ったお野菜を食べるとカラダが痒くなるアレルギー症状を持つ石井さん。無農薬・有機栽培で作られたお野菜=オーガニック野菜に出逢うことで、そのカラダの痒みから解放されました。そんなオーガニック野菜の素晴らしさを、もっと広く伝えたい!石井さんが考えたのは、自らが『ベジタリスト』としてお野菜に関しての専門家になり、さらにYoutubeを使って情報発信していく『ベジタリストユーチューバー』です。

今回は、『ベジタリストユーチューバー』として初の動画を公開していただきました。オーガニック野菜と一般的なスーパーなどで購入してきた野菜を比較します。目隠ししてそれぞれの香りや味を比べ、どちらがオーガニック野菜なのかを当てるのです。流石はベジタリスト!見事にオーガニック野菜の特徴、さらには一般的な農薬や化学肥料を使った野菜の特徴を解説し、見事正解しました!

楽しみながらオーガニック野菜の素晴らしさを多くの人たちに伝えていきたい、そしてオーガニック野菜をより身近な存在にしていくのが、石井さんの夢です。

>お子様の将来の夢ランキングで上位に入るようになったYoutuber。そのYoutubeを使い、オーガニック野菜の特徴や素晴らしさを伝えていく石井さん。こうした啓発活動は、どうしても説教っぽくなってしまう傾向がありますが、石井さんの動画は見ていても楽しく、またオーガニック野菜の特徴をとてもわかりやすく解説しており、エンターテイメント性に富んだものでした。見ていて「楽しそう。わかりやすい。」というのは、とっても重要なことで、お野菜嫌いのお子様も、この動画を見ることで「こんな野菜なら食べてみようかな」と思えるようになるのはないでしょうか。さらに、地産地消やフードロスといった課題点への解決のアプローチにも繋がり、石井さんのYoutube動画が社会問題を解決させることになるかもしれませんね。

 

全7名の発表者の方のお話の概要と岡パパの感想についてお伝えしてきました。皆さん、素晴らしいアイディア、夢、プラン、行動力を持っており、お1人お1人の熱意に当てられて、胸が熱くなるやら涙が出るやら、大きく感情を揺さぶられました。食物アレルギーというと、「食べることができなくてかわいそう」といったネガティブな印象が強いものばかりでしょう。実際に毎日のお食事の中で気を付けなければいけないことは多くあります。しかし、食物アレルギーである=不幸とは思いたくありません。

今回発表してくださった7名の方も、食物アレルギーがあったからこそ、社会が抱える課題に気づいて「どうすれば課題を解決できるか?」を考えたり、食物アレルギーだけでなく食に制限のある人にとっても笑顔になることが出来るような夢を持ったり、「こんな大人になりたい」と言えるような尊敬できる人の存在に気づくことが出来たのではないでしょうか。

前を向いてポジティブに進んでいく姿を見て、私達も頑張ろう!と思えるようになりましたし、食物アレルギーを持つ娘にも夢を持って実現に向けて進んでもらいたいと感じました。

 

この『食物アレルギー・ドリームプランプレゼンテーション』。運営委員にて第2回目を開催しようと計画中とのことです。次回は2022年に開催予定とのことです。ぜひ続けていただきたいですし、今回は参加条件の年齢に入ることが出来ませんでしたが、私達の娘にも応募してもらいたいと思います。

プレゼン発表をされた7名の皆様、発表者の方々を支えた大人サポーターの方々、本イベントを運営された運営委員の皆様、本当にありがとうございました。