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written by 岡パパ
2月14日のバレンタインデーでは、多くの方々がチョコレートなどのお菓子をご家族の方やお友達の方々へプレゼントしたり、またはいただいたりしたことでしょう。
(画像はイメージ)
多くの市販チョコレート製品に乳性分や大豆成分が使用されています。
これらの食材に食物アレルギーがある方にも、美味しく楽しくお菓子を食べてもらおうと、アレルギーに配慮されたチョコレートも販売されるようになってきました。
ところが、乳や大豆といったアレルゲンではなく、チョコレートに含まれるほかの物質によって、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を起こすことがあるというのです
カカオに含まれる○○成分
チョコレートは、カカオから作られます。
(画像はイメージ)
一般的なチョコレート製品は、カカオ成分がおよそ30~40%ほどです。
近年、カカオ成分70%以上のチョコレートも多く販売されています。
カカオ成分が高くなるほど、苦味や渋みといった味わいは強くなりますが、甘いものが苦手な方や、美容や健康に注目されているといったこと等から、人気の商品です。
ところが、この高カカオ成分のチョコレートを食べたことで、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を起こす方がいらっしゃるというのです。
(画像はイメージ)
アレルギー症状を起こした方は、乳成分や大豆成分に反応したのではなく、チョコレートに含まれるある物質に反応したことが考えられています。
その1つが『ニッケル』。
「ニッケルって金属の?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
実は、ニッケルは様々な食材に含まれています。
代表的なものでは、コーヒーやココア、カカオなどです。
これらの食材を摂取したことで、『ニッケル』に対してアレルギー症状(=金属アレルギー)を持つ方は、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を起こしたと考えられています。
身の回りの様々なものに在るニッケル
ニッケルは、ピアス、ネックレス、指輪など多くの貴金属の表面処理めっき等に使われています。
(画像はイメージ)
このニッケルは、金属アレルギーの代表的なアレルゲン物質としても知られています。
金属アレルギーは、汗に含まれる塩素イオンにニッケルなどの原因物質が溶け出して、皮膚に付着することでアレルギー症状が起こります。
ご自身が金属アレルギーであることがわかっている方であれば、身に着ける貴金属などの材質を気をつけることで、アレルギー症状を回避することが出来ます。
しかし、今回の事例で挙げたニッケルは、先述したような食材にも含まれています。
高カカオ成分のチョコレートには、一般的なチョコレートに比べて高い割合のニッケルが含まれていることがわかりました。
ニッケルに金属アレルギー症状をお持ちの方が、このような高カカオ成分のチョコレートを食べて、チョコレートに含まれるニッケルに反応すると、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を起こすことがあります。
アレルギー専門医による診察と食生活の確認により原因を特定
金属アレルギーを起こす代表的な原因物質にはニッケル、コバルト、クロムなどがあります。
金属アレルギーかどうかを確かめるには、アレルギー専門医のいる皮膚科医による診察・検査が推奨されています。
代表的な検査は『パッチテスト』。
これは、皮膚に金属の成分を含む試薬を貼り付けて、かぶれなどのアレルギー症状がが起きるかどうかを確認する検査です。
アレルギー専門医のいる皮膚科医の方による診察・検査によって、金属アレルギーが診断された場合、身に着ける金属類をアレルゲンとなる物質が含まれないものにする必要があります。
また、チョコやコーヒーといったアレルゲンとなる物質を含む食材を一定期間食べないようにすることで、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が軽減することもあるようです。
食事の制限を自己判断で行うのは危険!
では、金属アレルギーの方は、その原因物質を全く摂取しないようにしなければいけないのでしょうか?
先に挙げられたような金属アレルギーを起こす代表的なアレルゲン:ニッケル、コバルト、クロムは、色んな食材に含まれています。
例えば、ニッケルはコーヒーやココア、チョコレートだけでなく、米ぬか、インゲン豆、大豆、ハマグリ、アサリなどなど、多くの食材に含まれています。
「ニッケルにアレルギー症状があるから、全て除去しなければ!!」と、自己判断で食事を制限しようとすると、他に必要な栄養素も摂取できず栄養失調を引き起こす可能性があります。
また、金属アレルギーを引き起こす代表的な物質として挙げられたニッケルやクロムは、実は身体の様々な機能を保つのに必要なミネラルでもあります。
自己判断で過度な食事制限を行うことで、かえって体調不良を引き起こす可能性があります。
金属アレルギーをお持ちの方が、アレルゲンとなる金属を含む食材をどれくらいの量を食べてアレルギー症状を引き起こすかは、人それぞれ異なります。
アレルギー専門医の方と良く相談された上で、身につけるモノはもちろんのことですが、食事内容も見直していき、体調不良を引き起こさないようにしていく必要があります。
もし、高カカオ成分のチョコレートを食べるなどして、皮膚炎などの症状が悪化される方は、一度アレルギー専門医の診察を受けてみましょう。
身体に無理なく、健康で美味しく楽しく食事をすることができるようにしましょう。
金属アレルギー協会のHPはこちらから
記事参照元:AERA dot.はこちらから