9月4日にアレルギー対応スイーツコンテスト2021決勝審査が行われました。

今年もコロナ禍により大変な状況の中でしたが、会場をご提供してくださった東京製菓学校さん、そして当日ご参加された出場者や審査員の皆様には、検温、手指の消毒、マスクの着用、三密にならないように行動するといったご対応を取っていただきました。

決勝審査作品の調理中は、室内では調理器具などの音が響き渡りつつも、出場者の方々の真剣な空気によりピンと張りつめた空間になっていました。

当日作っていただいた作品は、どれも素晴らしく、卵、乳、小麦を使わずにいかに美味しく作ることができるかという創意工夫に驚き、また食物アレルギーを持つ方々への心配りに感動しました。

既に、当コンテストHPにて結果が発表されておりますので、私達のサイトでも各作品の(岡パパの食べた)感想を添えながら、結果をレポートさせていただきます。

<目次 Contents>

第3回アレルギー対応スイーツコンテスト2021結果発表

 

決勝審査の様子

決勝審査(調理)がどのように行われたのかをご覧いただけるように動画を作成いたしました。
ご覧ください。

 

学生部門

食品産業新聞社賞

ゆずショコラパフェ

スイーツには珍しい『ゆず』を使ってパフェにした一品。

上のオレンジ色の層はゆずの香りとほろ苦さ、爽やかな酸味を感じさせます。甘さ控えめなクリームの層と、その下にあるフワフワのスポンジ生地やサクサクのクッキー生地が合わさり、味と食感に変化を付けてくれます。

甘さ控えめなチョコ味の層は全体の味をまとめ上げてくれつつも、ゆずの香りを邪魔せずに、最後まで爽やかな香りを感じ続けることができます。

スプーンでガッツリと掬って、口の中で味と香り、食感の変化を楽しめる一品です。

 

3位

木漏れ日(こもれび)

第1回から3回まで実行委員として本コンテストに関わらせていただきましたが、この作品ほど驚きを感じたものはありませんでした。

上に乗っているホイップクリームは、甘くなくやや塩気を感じる味わいです。薄い緑色をしたクリームを食べてみると、なんとサッパリとしたミントの香りが口の中イッパイに広がります!そこに柑橘系の爽やかな酸味が加わり、口の中がスッキリとします。

甘味は、使われている食材の香りや酸味を邪魔せず、爽やかさだけでなくコクを与えてくれています。

見た目だけでは、その味を想像することができなかった為、1口食べて本当に驚きました。作品名「木漏れ日」らしく、温かな陽の光の下で食べてもスッキリ爽やかな気持ちにしてくれる一品です。

 

2位

ガトー マルジョレーヌ オ パタトゥ ドゥース

派手な見た目は無くシンプルですが、バランスが良くオシャレなこちらの作品。

口の中に入れてみると、上の層からさつま芋などの優しい甘さから始まり、徐々にクルミなどのコクのある味わいに変化し、最後にコクのあるカカオの香りと味でまとまっていきます。

ご覧いただいてわかる通り、こちらの作品のスポンジ生地は、とても薄く作られています。岡パパがスポンジ生地を作ろうとした時に「どれだけ生地の高さを出せるか?」を考えて作ります。

しかし、こちらの生地は、薄い生地ながらも、しっとりとしていて柔らかく、ベタ付きもしない上品な仕上がりです。この作品は岡パパの中で「ケーキはこうあるべき」という固まった考えを打ち砕いてくれました。

「スイーツは自由に作ってイイんだ」と、改めて気づくことができました。味、香り、食感、そして製作者の方の作品にかける想い、哲学をかんじることのできた一品です。

 

1位

タルト・オトンヌ

特徴的なクリームの飾りつけが目を引くこちらの作品。

クリーム、リンゴ、米粉でできたタルト生地の3段でできており、リンゴとタルト生地の間にはカスタードクリームが入っています。

リンゴの爽やかな香りと酸味、甘味を上品に引き出しつつ、シャクシャクとした食感も残しています。シナモンがかかっているクリーム部は甘さ控えめで、シナモンの香りを邪魔せずに上手に調和が取れています。リンゴの下にのカスタードクリームは、コクがあって香りが良く、リンゴとの相性が大変良いです
米粉で作られた土台の部分は、分厚い見た目ですがフォークがサクッと入る程よい固さに仕上がっています。

シナモンがかかったクリーム、爽やかなリンゴ、コクのある甘さのカスタードクリーム、そしてサックサクのタルト生地。味、香り、食感と、大変バランスが良く、素直に「美味しい」と感想が口から出てくる一品です。

 

一般部門

食品産業新聞社賞

フロランタンの米粉ケーキ

米粉のスポンジ生地の表面を、スライスしたアーモンドとキャラメルでコーティングしたフロランタンケーキ。米粉のスポンジはフワフワ、しっとりしており、米粉らしいモチっとした食感も楽しめます。

アーモンドとキャラメル部(ヌガー)のコクのある甘味、甘さ控えめなスポンジ生地、間に入ってくるベリーの酸味と、味の変化を楽しみながらも、口の中で一体となります。

特に、ヌガーの部分の味わいは絶妙!しっかりとした味わいとコクがありながらも、甘味がくどくないです。

今回の決勝進出作品の中で唯一のホールケーキタイプ。これはみんなで切り分けて食べ、美味しさを共感するのにピッタリな一品です。

 

特別賞

プチシャンフローラル

葉っぱや花の形で作られたクッキー生地と、イチゴやベリーで彩られ、まるでお花畑のような作品です。イチゴも良く見ると、薄くスライスされて花びらのようになっています。

ホイップクリームは甘さ控えめで、中心部にはコクのあるカスタードクリームが入っています。上に乗った果物の爽やかな甘みと酸味、カスタードクリームのコク、程よい塩気の効いたクッキー生地と、全体の味のバランスが取れています。

各パーツがお互いの良さを引き出し、口の中で互いの美味しさを持ち上げてくれる一品です。

 

3位

28品目アレルゲンフリーのザクザクチョコベリーケーキ

まず見た目で楽しいこちらのスイーツ!

丸い球状の生地はしっとりとしていて柔らかい食感です。カカオの香るココア味とプレーン味の2種の丸い生地、そして間に挟まっているラズベリークリームの酸味と上品な甘み、大麦を使ってザクザクとした食感とビターな味わいのチョコレートで作られた土台という組み合わせ。

味、香り、食感といくつもの楽しみが1つの作品で楽しめます。

食べた時の感動だけでなく、こちらの作品は一般的に入手しやすい食材と調理しやすいように工夫がされており、再現性の高い一品となっています。

 

2位

フレーズムースショコラ

艶やかで華のあるこちらの作品。オシャレな外食店などで食べるシーンにピッタリです。

ベリーの爽やかな酸味と上品な甘みがメインとなりますが、土台にはクルミを含んだビターなショコラ生地があります。そのショコラ生地の味わいが全体の味をまとめており、ベリーの美味しさにコクを与えています。

クルミのホロ苦さと香ばしさも味わいに一役買っています。

食感から味、香りまで、統一感があり、また外観も素晴らしく、食物アレルギーの有無に関係なくどなたが食べても美味しい!といえる一品です。

 

1位

エデン

この作品の味を文字にするのは、本当に難しいです。これほど複雑に味わいが絡み合ったお料理を食べたことが無く、岡パパの語彙力では、食べた感想をどう表現したら良いかもわからないというほどの作品でした。

マンゴーをメインの味としつつも、酸味のあるライムや梅を使ったりすることで味のバランスを整えて、幾重にも重ねられた味の層が、口の中で混ざり合っていきます。それぞれの味は主張しすぎることは無く、お互いを引き立てる絶妙な味わいになっており、使われている食材の良さを感じることができます。

と、言葉をツラツラと書いてみましたが・・・う~ん、やっぱり説明するのが難しい・・・言葉にするのは難しいのですが、端的に言えば「ウマっ!」っと思わず声が出てしまうような美味しさでしょうか。

一般部門1位というのも納得の一品です。

 

惜しくも入選はしませんでしたが、決勝審査に進まれた作品についてもご紹介します。

決勝審査進出作品

学生部門

信州あんずの寒天ケーキ

信州産のあんずを使ったオレンジ色の層が美しいこちらの作品。

寒天を使っているので、ベタ付かないサックリとした柔らかさが特徴です。あんずのほのかな酸味と甘みから始まり、甘さ控えめのカスタード層、そしてコクのあるカカオ香る土台部分が全体の味をまとめ上げてくれます。

一般の方でも作りやすいようにと、作品の再現性についても良く考えられております。

上の層に使われている『あんず』を、リンゴやブルーベリーなど、色んな果物に変えても美味しく食べることのできる一品です。

 

ソイミルクのローズケーキ

水中に華が咲き乱れているかのような素晴らしい外観のこちらの作品。

桃を薄切りして食紅によって色を付け、華(バラ)をカタチ作っています。

透明な層と豆乳の層を固めているのは、ゼラチンではなく透明度の高いアガーが使われています。透明度のある外観を作り上げるだけでなく、食物アレルギーや近年のベジタリアン、ビーガン食についても配慮をする為、アガーを使ったとのことです。

柔らかくもコリュッとした独特の食感のアガー層と、桃の甘味、酸味、香り、豆乳部のまろやかなコク、そして味わい深いカカオで味付けされた土台部と、見た目も味も楽しめ、色んな方に食べてもらえるようにと作られた一品です。

 

一般部門

常夏チーズケーキ

マンゴー、アプリコット、バナナなど夏をイメージした果物をふんだんに使っています。豆乳ヨーグルトを使ったチーズケーキ風の部分のコクのある酸味との相性も良いです。

米粉でできた土台部分は、フォークで刺すにはやや硬さを感じるものの、口に入れるとサックサクの食感になるという変化を楽しむことができます。

夏をイメージさせる果物を使い、酸味のあるチーズケーキ風により後味を引かず爽やかになるように考えられた一品です。

 

キッズ部門受賞作品

今年のキッズ部門には、大変多くの作品が集まりました。どの作品も夢イッパイで、アレルギーに関するエピソードには目頭が熱くなるものも多くありました。

その中で2作品が受賞されました。

夢のハッピーミルクレープ

苺や黄桃、キウイフルーツ、バナナなどフルーツ盛りだくさんなミルクレープ。こんなミルクレープ食べてみたいですよね!

これだけの説明書きをしてくれているのなら、実際に作れちゃいそう!!

 

みんなハッピーマジカルドーナッツ

可愛い顔が描いてあるドーナッツは、アイシングやさつまいもクリーム、マスカットなどで飾り付けされています。

「卵、乳、小麦不使用」である旨が書かれた説明書付きという、アレっ子ならではの視点と安全への想いが込められています。

 

以上、一般部門6作品、学生部門6作品、キッズ部門2作品の紹介でした。

 

今回も、実行委員、審査委員として関わらせていただいた岡パパとしては、第1回、第2回を上回るような発見と感動を得ることができました。

どの作品も、スイーツ作りに良く使われる卵、乳、小麦を使わずに作られたとは思えないような、非常に高いクオリティーばかりでした。特に今回は、作品の考案者の方の作品にかける想いが強烈に現れるものが多かったと感じました。

ある作品は、オシャレな外食店で出されても、どなたでも美味しく食べることができるような作品。

ある作品は、見た目にも楽しく美味しいものでありながら、ご家庭での調理も考慮して考えられた作品。

ある作品は、スイーツは常識に縛られず自由な発想で作って良いものだと食べた方にも気づきを与えてくれた作品。

食物アレルギーをお持ちの方も、そうでない方も、一緒になって「美味しい」と言える、幸せを分かち合える作品の数々でした。

 

今回の作品についても、レシピを一般公開する予定ですので、ご興味のある方は是非スイーツ作りに挑戦してみてください。

最後に、今回もアレルギー対応スイーツコンテストにご応募いただきました皆様、本当にありがとうございました。

 

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