8月27日にアレルギー対応スイーツコンテスト2022決勝審査が行われました。

今回は、学生部門、一般部門に加えて、新たにプロ部門を新設!

今年もコロナ禍により大変な状況の中でしたが、会場をご提供してくださった東京製菓学校さん、そして当日ご参加された出場者や審査員の皆様には、検温、手指の消毒、マスクの着用、三密にならないように行動するといったご対応を取っていただきました。

決勝審査作品の調理中は、室内では調理器具などの音が響き渡りつつも、出場者の方々の真剣な空気によりピンと張りつめた空間になっていました。

当日作っていただいた作品は、どれも素晴らしく、卵、乳、小麦を使わずにいかに美味しく作ることができるかという創意工夫に驚き、また食物アレルギーを持つ方々への心配りに感動しました。

既に、当コンテストHP・SNSにて結果が発表されておりますので、私達のサイトでも各作品の(岡パパの食べた)感想を添えながら、結果をレポートさせていただきます。

 

<目次 Contents>

第4回アレルギー対応スイーツコンテスト2022
学生・一般・プロ部門結果発表

決勝審査の様子

決勝審査(調理)がどのように行われたのかをご覧いただけるように動画を作成いたしました。
ご覧ください。

 

学生部門

決勝進出作品

信州産ソルガムのローズタルト

バラの花びらのように並べられたスライスされたリンゴが美しいこちらのタルト。信州特産のリンゴやソルガムを使うというコンセプトで作られています。

リンゴの下には、豆乳ヨーグルトとサツマイモでできたクリームがあります。このクリームが甘さ控えめなので、リンゴの酸味と甘み、そしてタルト生地の美味しさも邪魔することなく味わうことが出来ます。

驚いたのが米粉とソルガム粉を合わせて作られたタルト生地の食感ですね。サックリ、ホロロという絶妙な食感になっており、これには審査員の先生方も驚かれていました。

実は、こちらの作品を作られた学生グループ『おやつ工房PUKKUN』さんは、昨年の決勝審査にも出場されていました!

昨年の作品は『信州あんずの寒天ケーキ』

2年連続で決勝出場!是非来年も素晴らしい作品をご応募いただきたいです。

 

決勝進出作品

和風ムースタルト

お菓子のおもちゃ箱のようににぎやかな外観をしたこちらの作品。緑色のカボチャの様に見えるのは、乳製品も大豆製品も使わずに作られた抹茶のチョコレートなんです!食べてみると、生チョコよりもやや弾力のある独特の食感に、抹茶とココアバターの香りが口の中で広がります。これは初めての経験ですね。

お豆富で作られた白と黄緑色のムースは、上品な甘味と香りが特徴です。土台となっているきな粉とオートミールで作られたタルト生地は、きな粉の香ばしい香りが口の中で広がり、ザクザクとした食感が心地よいです。

お豆富の味と香り、甘味の後に抹茶の香りが来るので、後味がとてもサッパリします。上品な甘さのお陰で、1つ1つの部分の素材の味わいも感じることが出来つつ、合わせて一緒に食べても美味しいというバランスの取れた逸品でした。

 

準優勝

チョコムースケーキ

この外観の素晴らしさ!フォークを刺すのがもったいない美しさです。

ムースを使ったスイーツというと、豆乳ホイップを使う場合が多いですが、こちらの作品は大豆製品を使用せずに、ココナッツクリームを泡立てて作られています。

上の段から、チョコレートムース、イチゴゼリー、ココナッツムース、そしてチョコバナナブラウニーという構成です。

フォークでスッと通る柔らかいムースケーキを口に入れると、カカオの濃厚でコクのある味わいから、イチゴの酸味が来て、次いで柔らかなコクのあるココナッツムースで全体の味わいがまとまったと思ったら、最後にチョコバナナブラウニーのビターな味わいで締められるという、見事な味と香りの移り変わりを感じることが出来ます。

外観、味ともに見事な逸品でした。

 

優勝

Route Royale(ルートロワイヤル)

見た目の鮮やかさに目が奪われますね。

強めの甘みと酸味を感じるミックスベリーのグラサージュの下には、サッパリとした甘味と程良い酸味、そして口溶け柔らかなベリーのムースがあります。ムースの中には、酸味と甘みを凝縮させたベリーのジュレや、巷で人気のピスタチオのクリームが入っています。

ベリーの酸味や甘味でピスタチオの味わいが消えてしまわないように、ピスタチオの量を調節して全体のバランスを整えるといった工夫がされています。

こちらの作品を作られた学生さんご自身が、クルミに食物アレルギーがあるとのことで、同じように食物アレルギーでケーキなどを食べることができない方にも美味しいケーキを食べてもらいたい!という想いから生まれた作品です。

 

一般部門

決勝進出作品

ビタミン・ミネラルたっぷり 魔法のアイスケーキ☆

スイーツコンテスト決勝審査にて初めてとなるアイスケーキ。もちろん乳製品は使用せずに、ココナッツミルクやカシューナッツをベースに作られています。

こちらの作品の『ビタミン・ミネラルたっぷり』という題名の通り、調理に火や熱を加えずに作るので、食材のビタミン類が損なうのを防ぎ、食材の栄養価を全部摂れる様にするというコンセプトです。

上の段からラズベリーのクリーム、ホワイトチョコ、チョコクリーム、そしてアーモンドやオートミールで作られた土台部分という構成です。

フォークで刺した感触は、やや硬めかな?と思いましたが、口の中に入れると、とたんにトロリと溶ける不思議な食感!爽やかなベリーの酸味とココナッツの香り、カカオのコク、アーモンドなどの香ばしさといった色んな味と香りが口の中で合わさります。

暑い夏の時期にサッパリと美味しい、そして栄養価も摂れてしまうという、贅沢なアイスケーキです。

 

決勝進出作品

ティラミス・ミルフィーユ~28品目不使用~

こちらの作品には!なんと!米粉で作られた『パイ生地』が使われています!!

通常のパイ生地は、小麦粉とバターを混ぜた生地を、冷やしながら折りたたんだりして作ります。これを小麦、乳不使用で作るのがとても難しい!!!

この難題を見事にクリア!米粉とココナッツバターを活用し、生地の層のあるサックリとしたグルテンフリーのパイ生地が出来上がりました!!このパイ生地には、審査員の先生も驚きの一言!

さらに、28品目不使用のクリームチーズ『植物生まれのクリーミィ―』を上手に使い、コクと酸味のあるココアクリームを作られています。作品名である『ティラミス・ミルフィーユ』の通り、サクッとしたパイ生地にコクのあるココアクリーム、そしてコーヒーのほのかな苦みが合わさっています。

こちらのパイ生地については、今まで作れなかった様々なスイーツにチャレンジすることが出来る可能性を持っています。

この作品をお作りになられた方の今までの創意工夫と努力、そしてこれからの可能性の広がりを感じた作品でした。

 

準優勝

ドラゴンフルーツとココナッツのトロピカルおはぎ

色鮮やかなパフェの様に見えるこちらの作品。実は、作品名の通り『おはぎ』なんです!『おはぎ』をパフェの形に変えるという素晴らしい発想!こういった自由な視点と発想は、一般部門の方ならではのものでしょう。

変わっているのは見た目だけではありません。ココナッツミルクで香りと味付けされたもち米に、パイナップル、粒あん、そして鮮やかなピンク色のドラゴンフルーツを使って作られたクリームという南国の味わいになっています。

ココナッツミルクともち米?パイナップル?と、首をかしげる方もいらっしゃるかもしれませんが、スプーンですくって食べると口の中で合わさって、驚きの美味しさ!!例えると、パイナップル入りのフルーツ大福にココナッツミルクの風味と味わい、クリームのコクが加わった感じでしょうか。

自由な発想で新たなスイーツの可能性を生み出した素晴らしい作品でした。

 

優勝

Chiboust d’ete (シブーストデテ)

落ち着いた見た目ながらも上品さを感じるこちらの作品。

上の部分にある『シブーストクリーム』は、豆乳とオーツミルクを使って作られています。これが絶品!

豆乳を使っていると、少なからず大豆の香りを感じるものですが、こちらは大豆の香りをほとんど感じません。コクと旨味がありながらも、後味がサッパリしています。滑らかで口どけが良くスイスイと食べれちゃいます。

そして、表面を炙って甘味とほのかな苦みを付けたバナナとの相性はもちろん、キイチゴの甘酸っぱさとの相性も抜群!これはきっと、色んな果物や抹茶、紅茶、ココアなど様々な食材とも合わせることができると思います。季節によって変わる旬の食材によって色んな姿に変わることが出来そうです。

おしとやかな見た目からは想像できないほどの可能性を秘めた素晴らしい逸品でした。

 

プロ部門

決勝進出作品

キャラメル・アプリコ

食欲をそそられる橙色をしたこちらの作品。

アプリコットのピューレを使ったムースには、フワフワで軽い食感を出すために『ひよこ豆』の煮汁で作られたメレンゲが使われています。このムースには豆乳ホイップでコクを加えられています。表面に使われているキャラメルグラサージュのほのかな苦みと、コクがありつつも優しい甘味のアプリコットムースの相性が良いです。

中にはソテーされて甘味と旨味が凝縮されたアプリコットが入っており、アプリコットの濃淡の変化を楽しむことが出来ます。

土台には、メープルシロップの甘味と香りがするカリッとした食感のビスキュイがあり、最後まで飽きを来させない工夫がされています。

苦みや甘味との相性、アプリコットの濃淡、食感の違いのアクセントなど、流石はプロ部門と言える逸品でした。

 

準優勝

エスポワール ~希望~

らせん状になったマロンクリームが美しいこちらの作品。

栗のモンブランというと、マロンクリームのコクと甘味を活かすために、中には甘さ控えめなクリームが使われていることが多いかと思います。

しかしこちらの作品には、マロンクリームのすぐ下に甘さ控えめでコクのあるカシスのクリーム、さらに中心部には酸味のあるカシスのジュレが入っています。この酸味により味が引き締まり、またアクセントになることで、マロンクリームの味をさらに引き立ててくれました。

栗のモンブランに、酸味のあるカシスを組み合わせるという、冒険とも思える挑戦をした作品!

「実は、栗のモンブランが少し苦手で・・・」という方は、こちらの作品を食べてみるとモンブランの認識が変わるかも??

 

優勝

小悪魔ムースショコラ

小悪魔の名の通り、見事な羽根と黒光りした外観が特徴のこちらの作品。

1口食べてみると外観からは想像もできない味わいに驚かされます。

ヘーゼルナッツをメインにした優しい味わいのムースに、ビターな味わいながらも甘酒を使って優しい甘味を加えたチョコレートムース、そして濃厚な味わいのブラウニーの3層になっています。

さらに中心部には、岩手の特産品である『アロニア』という果物で作られたジュレがあります。この『アロニアのジュレ』は、ほのかな酸味と渋みがあるのですが、このお陰で、3層の組合せをまとめ上げて一体にさせてくれています。

1口で感じる満足感が桁違い!それでいて、『アロニアのジュレ』によって口の中がスッキリするので、また食べたくなり・・・と、終わらない幸せを感じ続けられるという、まさに『小悪魔』の名に相応しい逸品でした!

 

 

以上、学生部門4作品、一般部門4作品、プロ部門3作品の紹介でした。

 

今回も、実行委員、審査委員として関わらせていただいた岡パパは、回を重ねるごとにレベルアップしていくスイーツたちに驚きと感動を頂くことが出来ました。

どの作品も、スイーツ作りに良く使われる卵、乳、小麦を使わずに作られたとは思えないような、非常に高いクオリティーばかりでした。

ある作品は、オシャレな外食店で出されても、どなたでも美味しく食べることができるような作品。

ある作品は、見た目にも楽しく美味しいものでありながら、ご家庭での調理も考慮して考えられた作品。

ある作品は、スイーツとは常識に縛られず自由な発想で作って良いものだと食べた方にも気づきを与えてくれる作品。

食物アレルギーをお持ちの方も、そうでない方も、一緒になって「美味しい」と言える、幸せを分かち合える作品の数々でした。

 

最後に、今回もアレルギー対応スイーツコンテストにご応募いただきました皆様、本当にありがとうございました。

 

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