23年9月5日に、上越市内の小学校にて、1人の乳成分に食物アレルギーを持つ児童が、給食に出された「乳成分入りのスープ」を誤食し、食物アレルギーを起こし救急搬送されました。


(画像はイメージ)

児童の方はアナフィラキシー症状を発症。担任の教師は児童の状態を確認した後にエピペンを打ちました。

児童の方は翌日には退院したとのことです。

この事故を受け、児童や生徒にアレルギー症状が出た場合の対応を学ぶ研修会が、市内すべての公立小中学校69校の教員を対象に11月15日に行われました。

リンク:上越市で食物アレルギー事故の対応研修会

 

今回の研修会では、事故にあった児童の主治医でもある上越市の小児科「すこやかアレルギークリニック」の田中泰樹院長が講師となり、事故当日の時系列などを踏まえながら、食物アレルギーの誤食事故が起こった際の対応などについて研修が行われました。

注目されたのは、『児童にアナフィラキシー症状が出て、症状を和らげるエピペンを打つまでに18分かかり、学校の対応が遅れていたこと』が指摘されました。

誤食事故にあってしまった児童の方の聞き取り調査では「死ぬかもしれない」「なんで早くエピペンを打ってくれないんだろう」と思っていたと話していたとのことです。

 

講師の田中泰樹院長は

「大人2人が『ぐったり』『ぐったりしてない』と判断が分かれた場合、1人でも『ぐったり』と思ったら打って!本人が『打たないで』と言っても『君を守りたいから打つ』でいい

と、アナフィラキシー症状が起きたら迷わずにエピペンを打つように呼びかけ、エピペンを打った後は、体の血液量が減って血圧が下がるため、意識を失わないよう横に寝かせて足を高くしてほしいと伝えました。

 

研修会の参加者は、実際にエピペントレーナーを使ってエピペンの打ち方を確認・練習したとのことです。

参加者の方からは

「(発症後)歩かせて移動できると思ったが、血圧が下がるのでできないことを聞いた。知識がないと対応が難しく、知ることができて良かった。給食は子ども、大人にとっても楽しい時間だが、命にかかわると認識を改めた。アレルギーのある子のリストを確認したい」

「今の見方では甘い部分があった。(命を預かること)再認識して、努力したい」

といった意見が出ていました。

 

我が家でも、アレルゲンの誤食によって娘にエピペンを打ったことがあります。

リンク:娘にはじめてエピペンを打って入院するまで

危険な状態であれば1分1秒を争うので、できるだけ早く打つのが望ましいのですが、重い食物アレルギー症状を持つ身内がいる家族でさえも、エピペンを打つ際には「本当にイイのか!?」「打つ場所はココでいいのか!?」と躊躇してしまいました。

ましてや、自分の子供でない、学校の児童生徒に対してエピペンを打つというのは、教師の方々からしたらかなりのプレッシャーになるかと思います。

とは言え、迷っていては命の危険に繋がります。今回、上越市の研修会に参加された方々は、改めて食物アレルギーの症状が起きた時に適切な判断や行動を学ばれたと思います。

日本では、重大な問題であることはわかっていても、何かが起こってからでないと適切な対応展開ができないということが多々あります。

今回の事故の教訓を活かして、上越市内だけでなく全国の学校関係者やアレルギーを持つ方と接する機会がある方々などが食物アレルギーへの対応を学べるようになればと願っています。

 

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