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written by 岡パパ

 

食物アレルギーをお持ちの方が、アレルゲンとなる食材を誤食した際、
強いアレルギー症状を発症することがあります。

救急車等で病院に行き適正な処置をしていただく必要がありますが、
エピペンを処方されている方は、救急車で病院に行くまでの間に注射して症状を緩和させます。


(画像はイメージ)

エピペンは、アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和し、
ショックを防ぐための補助治療剤=アドレナリン自己注射薬です。

私達の娘も、食物アレルギーの症状が重いことから、エピペンを処方されています。
娘の命を守るお守りでもあり、とても大切な薬です。

しかし、そんな薬(=アドレナリン)も、投薬の仕方を間違えてしまったことで、
最悪の結果になってしまうことがあるのです。

 

2015年12月、大阪にお住まいだった18歳の女性が夜に食事をした後、
目の腫れやせきなどの症状を発症しました。

女性は治療を受ける為、大阪府高石市の病院に行きました。
そこで非常勤当直をしていた医師に「食物アレルギーによるアレルギー症状」と診断されました。

アレルギー症状を緩和させる薬としてアドレナリン薬の投与を女性に行うように
看護師の方に指示しますが、その投与に誤りがありました。

本来であれば、筋肉などに注射すべき薬ですが、
アレルギー症状を起こした女性に対し点滴で投与してしまいました。
さらに、適正量の2倍を超えるの量を投与したというのです。

アドレナリン薬の過剰投与により、大変残念なことに女性は
約3時間後に亡くなってしまいました。


(画像はイメージ)

これにより大阪府警は、アドレナリン薬の投与指示をした医師を
業務上過失致死容疑で書類送検しました。

医師は「正しく治療を行っていれば、女性が亡くなることは無かったと思う」
と容疑を認めているとのことです。

 

亡くなられた女性のご両親は2017年11月に刑事告訴をしています。
遺族の方は医師と病院側に損害賠償を求めて提訴し、
同年9月に病院側が落ち度があったことを認めて和解が成立しています。

記事参照元:
・yomiDr.はこちらから
・産経新聞はこちらから

 

岡パパはこの事故を知り、ご遺族の方々の無念な気持ちを思うと、
胸が張り裂けそうになると同時に、背筋が凍るような思いをしました。

 

食物アレルギーを持つ人による『アレルゲンの誤食』は、
どんなに防ごうを思っても完璧に防ぐことはできません。

もしアレルゲンを誤食してしまい、強いアレルギー症状を発症してしまった場合、
すぐに病院で治療を受けなければ命が危険な状態となります。

ただ、アレルゲンを誤食する場所は自宅などの生活エリアとは限らないのです。
外出時などの場合、全く知らない病院に行かなくてはならない場合もあります。

病院に着いて、医師に「食物アレルギーがある」旨を伝え、
診察を受けて食物アレルギーによるアレルギー症状であると診断が出ても、
その後の治療が適正に行われないことで、助かるはずだった命が失われてしまうかもしれない・・・

もちろん、正しい診断・治療をしてくださる医師の方の方が多いと信じていますが、
言葉に言い表すことの出来ない鉛色の不安感を強く感じました。

食物アレルギーを持つ方は、お子様ばかりでなく成人の方も増加傾向にあります。
アレルゲンの誤食が平日昼間に起きるとは限りません。
夜間救急、休日診療などで病院に行くケースの方が多いかもしれません。

釈迦に説法とは存じますが、このような悲しい事故が起こらないよう、
医師の方々にはアナフィラキシーなどのアレルギー症状への正しい治療法を
身に付けていただきたいと願っています。

 

※日本アレルギー学会では、医療事故の再発防止に向けた提言として、
『注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析』資料を一般公開しています。
資料内に以下のような記述がありました。(P18~一部抜粋)

・アナフィラキシーを疑った場合は、ためらわずにアドレナリン標準量0.3mg(成人)を大腿前外側部に筋肉内注射する。
・アドレナリンの 0.3 mg (成人)の筋肉内注射であれば、有害事象が起きる可能性は非常に低い。
・アドレナリンの投与量が 0.5 mg 以下であれば、生命に危険が及ぶような合併症をきたさないと考えられる。
・アドレナリンを静脈内注射すると血中濃度が急激に上昇し、重篤な心筋虚血、不整脈、肺水腫等を引き起こす可能性がある。アドレナリンは、効果が得られる血中濃度と副作用の出現する血中濃度の差が小さく、治療域が非常に狭いことが指摘されているため、0.3 mg の筋肉内注射が推奨されている。
・アナフィラキシーの初期治療において静脈内注射によるアドレナリンの投与は推奨しない。アドレナリンを静脈内注射する場合は、繰り返しアドレナリンを筋肉内注射したにもかかわらず効果が認められなかった場合や、心停止に近い状態または心停止した場合に限られる。
・心肺蘇生に用いるアドレナリン 1 mg の静脈内注射と適応が異なるため混同してはならない。
・アナフィラキシーの初期治療としてアドレナリンを静脈内注射する場合は、その投与量・投与速度に細心の注意を払う。医師による持続的な観察や、生体監視装置によるモニタリング等が可能な手術室等の限られた場所において、アドレナリンの静脈内注射が可能となる。

専門的な医学用語も多いですが、読んでみると大変勉強になります。
ご興味のある方はご覧ください。

医療事故の再発防止に向けた提言のページはこちらから