食物アレルギーは、特定の食物を食べるなどして摂取すると、身体がアレルギー症状を引き起こす免疫疾患です。

食物アレルギーを持たない方は普通に食べることができている食材でも、その食材に食物アレルギーを持つ方が食べてしまうと、アレルギー症状を引き起こし、場合によっては重いアレルギー症状:アナフィラキシーやアナフィラキシーショックへと繋がり、命が危険な状態となってしまいます。

食物アレルギーを持つ方の基本的な対策は、食物アレルギーを引き起こす食材:アレルゲンを摂取しないことですが、日常生活の中で誤って摂取してしまい、アレルギー症状を引き起こしてしまうことがあります。

そういった場合、人によってはお医者さんから処方されている頓服のお薬を飲むことで症状が治まる方もいます。しかし、症状が重い場合はエピペンというアドレナリン注射液を処方してもらい、重い症状が出たら自分で(または周りの方により)注射を打ちます。

このエピペンというのが、打たれる本人はもちろん痛いですし、家族・身内や周りの方々(幼保育園や学校の関係者など)にとっても「打って大丈夫か!?」と心理的なプレッシャーがかかります。

とは言え、命にかかわることですので、可能な限り早く注射をしなければいけません。

しかし、この重いアレルギー症状への対応と同等の効果があり、かつ心理的プレッシャーを低くすることができる治療薬が出来たらどうでしょう?

国立病院機構相模原病院と製薬会社のグループにより、鼻にスプレーするタイプの薬でも同等の効果が確認できたとし、治験の結果をまとめたことがわかりました。

<以下、NHK NEWSより抜粋>


(画像はNHK NEWSより)

グループでは、海外の製薬会社が開発を進める鼻にスプレーをするタイプの治療薬について、国内で最終段階の治験を行い、アナフィラキシーの症状が出た6歳から17歳までの子ども15人にこの薬を投与しました。

その結果、15人のうち14人で5分以内に症状が和らぎ始め、最終的に全員の症状が治まったということで、いずれも重い副作用などはみられませんでした。

これまでの研究で鼻からの投与で十分な量の薬が吸収されることが確認されているということで、グループでは、今回の治験で自己注射薬(=エピペン)と同等の効果があることが確認できたとしています。

国内で開発を進める製薬会社では、今年度中に国に承認申請を行うことを目指しているということです。

リンク:NHK NEWS 「アナフィラキシー」に鼻にスプレーするタイプの薬で効果確認

 

なんと!エピペンによる大腿部への筋肉注射ではなく、鼻への薬の投与で症状が治まったとのことです!

最近、「食物アレルギー」という検索ワードで調べると、様々な自治体で食物アレルギーを持つ児童生徒がアレルゲンとなる食材を誤食しアレルギー症状を発症したニュースが数多く出てきます。

食物アレルギーを持つ児童生徒の人数が増加傾向にあり、かつ症状が重篤な場合も多いことから、自治体によって食物アレルギーへの対応や緊急時のエピペン講習などが行われている場所もあります。

しかし、エピペンの講習を受けたとは言っても、いざ本当に目の前の児童生徒にエピペンを注射できるか!?というと、なかなか手が震える想いでしょう。

実際に、数年前にアナフィラキシー症状を発症した娘にエピペンを打った私達も、エピペンの使い方を何度も練習してましたが、いざ打つとなると「これでイイんだよね?大丈夫だよね?」と、やはり怖い想いもありました。

そして何よりも打たれる本人がもっと怖いでしょうし、やっぱり痛い!

 

今後、今回発表された薬について国への申請がされていく中で、安全性なども改めて確認されてくるかとは思いますが、アナフィラキシー症状からの命の危険を抑える効果を持ち、投与者への心理的ハードルが下がるこの薬が使われるようになれば、いざという時に躊躇(ちゅうちょ)する時間が無くなり、より命の危機から脱しやすくなるかと思います。

「それじゃぁ、今までやってきたエピペンの講習は意味が無かったの!?」というお声も聞こえてきそうですね。

新しいお薬が誕生しても、一気に広がるわけでは無いので、しばらくはエピペンの方がメインになるかと思いますので決して無駄ではありませんし、アレルギー症状が起きた場合、何らかの処置をしなければ命が危険であるというのを学ぶというのは、とても大切だと思います。

新しいお薬が処方されるようになり始めて、1~2年くらいすると、アナフィラキシーへの対応内容も変わってくるかもしれませんね。

 

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